タイ工場のシステム再構築
蓄積した海外でのシステム構築ノウハウと業務知識を活かし、
タイ現地法人の業務効率化に貢献。
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Furukawa Metal Thailand 代表取締役社長
西郡 達雄 様
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Furukawa Metal Thailand 営業副部長
花谷 健 様
ICTインフラの再構築で
競争激化に対応
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Furukawa Metal Thailand様(以下FMT)は1988年、古河電工 金属カンパニー 銅管事業部のタイ現地法人として誕生した企業です。主にエアコンや冷蔵庫で使用される銅管の製造・販売を手がけ、タイを中心にグローバルな市場の拡大に伴って順調に成長してきました。ところが、次々に競合が登場し、競争が激化したことから、「2006年、新たな戦略として、ICTインフラの再構築によって管理面を強化し、製造から販売までの業務効率を高めようと考えました」と語るのは、当時FMTの社長を務めていた西郡達雄氏です。
現地のSIerが構築したICTインフラは、受注管理、生産管理、品質管理など必要なシステムは揃っていたものの、事業の成長に追いつかず、システム間の連携が不十分で、必要な情報を収集・分析するのに、多くの時間と手間がかかっていました。この状況を改善する施策を日本の事業本部に相談したところ、紹介されたのが、FITECでした。FMT営業副部長だった花谷健氏は、「FITECは金属カンパニーの国内外にある事業所でシステム構築を担当し、金属製品の製造にも海外でのシステム開発にも精通していました。その経験と知識、ノウハウを応用すれば、求めるICTインフラが早期に導入できると思いました」と、当時を振り返ります。
現場に溶け込み
既存システムの課題と特長を把握
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FMTの依頼を受け、当初FITECはコンサルティングとしてプロジェクトに参加しました。金属カンパニーの中国現地法人と日光事業所のシステム構築を担当した経験を持つFITECの橋本政樹は、システムのマネージャーや現場でオペレーションを担当する現地スタッフを対象に、既存システムの調査を開始します。ところが、「業務改革で仕事が失われるかもしれない」と多くのスタッフが不安に思ったことで、調査はなかなか進みませんでした。
そこで橋本は、西郡氏や花谷氏など経営陣とともに、今後の成長に業務改善が必要であり、新たな成長のコアになるのが現地スタッフの活躍であることを説明し、理解に努めました。その結果、再構築の真意が現地スタッフに伝わり、業務改善に対する姿勢が一変。「現状調査が一気に進み、システムの陳腐化した部分や脆弱性といった課題のほか、タイ独自の法律に対応する例外処理が多く含まれている特長などが把握できました」と、橋本とともに今回のプロジェクトに取り組んだ菅野崇は言います。
こうして現地スタッフと良好な関係を築き、業務を深く理解したことから、FITECはコンサルティングだけでなく、システム構築まで手がけることに。「FMTが業務を効率化し、タイに根付いた企業として成長していくために必要なシステムづくりを進めました」(橋本)。
見える化で業務の効率化を推進
BCP対策にも着手
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まずは2007年6月からの2年間で、バンコク本社の基幹システムを刷新。続いてサラブリ工場の管理システムも再構築し、2011年1月から新たなICTインフラが稼働を開始しました。新ICTインフラでは各システム間の連携を図り、ビジネスの実態がリアルタイムで把握できる“見える化”を実現。また、DBをPCベースのものからOracleに変更したことで、さまざまな分析が簡単に実施でき、「業務の効率化が進み、新たな成長を見据えた改善策や戦略の立案もスピーディに行えるようになりました」(西郡氏)。このほか、BCP対策として、バンコク本社のサーバをサラブリ工場のサーバでバックアップする仕組みも構築しました。さらに、システムをWebベースにし、いつでもどこでも業務に携われる環境を実現。「非常事態でバンコクへの立ち入りが制限されたときも、サラブリ工場を拠点にしてスムーズに事業が継続できました」(花谷氏)。
タイでは、FITECのように、コンサルティングから設計開発、構築、メンテナンスまで一貫して担当できる企業は多くありません。しかも今回の取り組みを通じ、FITECはタイの国民性や法規制に関する知識も修得。信頼できる開発パートナーとも出会い、アライアンスを組みました。こうした強みを活かし、FITECでは今後、東南アジア方面へ進出する企業をICT面からサポートするビジネスを積極的に展開したいと考えています。
タイを新たな拠点として、
東南アジアへ進出する企業のICTサポートに注力します。
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海外プロジェクトが国内プロジェクトと一番異なるのは、プロジェクトを効率良く進めるために、経営トップの理解が必要不可欠だという点です。今回のプロジェクトがうまくいった大きな要因も、西郡様、花谷様といった指導力のある経営陣がトップダウンでメンバーをリードし、一体感を持って進めることができたからです。このプロジェクトを通じ、我々は信頼できるタイの開発パートナーと出会うこともできました。今後もタイにおける開発機能を拡充してFMTのサポートを行うと同時に、タイを新たな拠点に、東南アジアへ進出する企業のサポートを積極的に行っていきたいと思います。
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(左)FITEC ソリューション開発センター GLOBAL推進ユニット ユニット長
橋本 政樹(右)FITEC ソリューション開発センター GLOBAL推進ユニット
菅野 崇
※当記事のインタビューは、取材当時の情報です。所属、内容について変更がある場合があります。