気っ風が良くて親分肌、どんなプロジェクトも成功に導く、FITECの頼れる“ボス”。
開発統括部
プロジェクト第2部/部長
綱 太郎
1991年入社
生産工学部卒
- Profile
- 入社当時を振り返って、「あまりITに興味がなかったが、気がついたらFITECに流れ着いていた」と豪快に笑い飛ばす綱。その言葉とは裏腹に、強い責任感と粘り強さ、そして周囲を鼓舞するリーダーシップを発揮して、プロジェクトを成功に導くうえで欠かせない存在に成長。過去にリーダーとして率いたプロジェクトのメンバーから、その後も長きにわたって慕われているというあたりが、彼の人柄を物語っている。
※インタビューの内容は、取材時点(SIソリューション統括部/シニアコンサルタント 所属時)のものです。
現在、綱は開発統括部 プロジェクト第2部/部長に異動しています。
Step1:初めて経験したプロジェクトで、
リーダーに求められる資質を学ぶ。
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私が入社後、初めて担当したのは、日光工場のアルミ鋳造ラインの生産管理システムでした。モノづくりの現場を目の当たりにしながら、そのモノづくりを支えるシステムを構築するというのは、自分の仕事の意義や工夫の成果を肌で感じられるという意味で、貴重な経験でした。これはメーカー系のSIならではの特権だと言えるでしょう。
その後、入社7年目にシステム開発部に異動となり、そこで参画したプロジェクトが最初の転機となりました。新開発の物流システムを古河電工の5工場に横展開するというものでしたが、私にとっては初めての経験であり、プロジェクトの進め方を一から学んでいきました。なかでも最大の成果だったのが、プロジェクトリーダーとしてのあるべき姿を学べたことでした。
物流とは工場内での最終工程であり、物流システムには前工程で生じたイレギュラーへの対応も求められます。しかし、すべて最終工程で帳尻を合わせているようでは、工場全体の効率改善にはつながりません。そこで、安易にシステムで対応するのでなく、まずはイレギュラーが発生しないように業務を改善すべきと、前工程に働きかけたのです。当然、前工程からは反発もありましたが、なぜ今のやり方がまずいのか、なぜ改善する必要があるのか、丹念に、粘り強く説明することで納得してもらうことができました。プロジェクトの基本は、発注者の言いなりになるのでなく、綿密なコミュニケーションのもと、一緒になって最善の手段を考えることにある――初めてのプロジェクトを、そうした基本を実践するリーダーのもとで経験できたのは、実に大きな幸運でした。
Step2:一年間にわたる勉強と構想の日々のなかで、
自らの視野が飛躍的に広がっていくことを実感。
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次なる転機を迎えたのは、入社9年目のこと。古河電工の情報システム部の方と2人でチームを組み、自動車部品事業部におけるサプライチェーンマネジメント構想に取り組むことになりました。これは、部品点数も発注先も多種多様で複雑極まりない状態にあった受発注の流れを“見える化”しようというプロジェクトでした。
自動車の生産工程は複数の工場にまたがるため、私たちは1年がかりで各工場を訪問し、どんな課題があって、何から取り組めばよいか、じっくりと構想を練りました。今から思えば実に貴重な経験でしたが、そもそもサプライチェーンとは何か、自動車がどんな工程で作られるのか、も知らない状況でしたので、毎日が勉強の連続。必死になって勉強するなかで、次第に理解が深まるとともに、自分の視野が、各工程の最適化から、個々の工場の最適化へ、そして複数工場を含めた事業全体の最適化へ、と広がっていくことが実感できました。
それから1年後、構想したプロジェクトを実行する段階となり、まずは生産管理システムの再構築と、設計と生産をつなぐ設計部品表を改善することとなりました。そこでもまた初めての経験ばかりであり、苦労は尽きませんでしたが、外部のカンファレンスに出席するなど、最先端の知見を得る機会もあり、充実した毎日でした。
Step3:“火消し役”として培った経験を活かし、
プロジェクトマネージャーとして若きエンジニアたちを見守る。
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その後もさまざまなプロジェクトを担当しましたが、いずれもコストが極度に厳しかったり、スケジュールが破綻しかけていたりと、胃が痛くなるようなものばかり(笑)。振り返ってみれば、いつも格闘の連続でしたが、そうした経験の一つひとつが、今の自分を支えているのだと思っています。苦労の甲斐あって、どの案件でも何とか成功を収めることができ、いつしか周囲からは“火消し役”とか“ボス”とか呼ばれているようですが、実際にプロジェクトを成功に導いたのは、メンバー一人ひとりの実力です。私がしたことは、トラブルの前で立ち尽くしたり、思考が堂々巡りになってしまったメンバーを落ち着かせて、進むべき方向性を再確認してやることだけ。それさえできれば、もともと能力の高いメンバーが揃っているわけですから、あとは自然とうまくいくものです。プロジェクトマネージャーの価値は、その能力をいかに引き出せるかにあると言えるでしょう。
こうした経験を経て、いまではシステムコンサルタントという大役を仰せつかっています。これまで以上に、一歩引いたところから各プロジェクトを見つめ、発生したトラブルに対処するのでなく、トラブルが生じないような環境を整備することが、これからの私の役割と感じています。正直なところ、もういい年ですので、今後は“火消し役”の出番がなくなるよう、若いエンジニアたちに頑張ってもらいたいですね(笑)